「食べる」ことに興味・関心を
幕別町立幕別中学校 栄養教諭 酒井 郁美

はじめに
給食時間に各教室を回り、毎日の給食の感想を聞いたり、今日の給食のおすすめポイントを話したり、給食センターでの出来事を伝えたり…。給食時間という短い時間の中ではできることが限られていますが、とても大切な指導時間だと思います。最近は「おなかがすいていない」「食べなくてもよい」「食べたことがないから食べられない」など、子どもたちの食への興味・関心が薄れているのを感じます。給食をもっと身近に感じ、子どもたちが食への興味・関心を深められるよう試行錯誤しています。
食育MEMO
給食だより(食育MEMO)は食に関する情報を伝えるため、毎月、子どもたちに向けて発行しています。食育MEMOの中では、食材の栄養や健康について、行事食や食文化について、食器の並べ方やマナーについてと様々な角度から「ひとくちMEMO」として情報を添えています。普段は見ることができない、給食が作られる様子や調理員、生産者の声も届けています。この食育MEMOを見て栄養教諭に声を掛けてくれたり、子どもたち同士で話している姿を見たりする機会が増え、少しずつ定着してきていることに嬉しさを感じています。

総合的な学習の時間での「ふるさと教育」
1学年の総合的な学習の時間における「ふるさと教育」で「食」というテーマに基づいて、特産物について調べたり、それらを生かしたメニューを考案したりする活動を行っています。これらの活動を通して、ふるさと幕別町の魅力について再発見したり、郷土を愛する心を育んだりすることが目的です。
また、学校給食はどのような目標や目的を基に作られているかなどにも触れ、授業を進めます。子どもたちはチームに分かれ、考案したメニューをプレゼンテーションし、試作会やアンケートを取って集計する活動を通して学んでいきます。その中から採用されたチームのメニューを、実際に給食として提供します。自ら考えた給食が提供されると、子どたちはとても喜びます。給食を身近に感じることができ、興味・関心が深まるよいきっかけとなっています。

おわりに
食育指導の内容は数々あります。生涯にわたって健康的な食生活を送ることができるように、実践力を付けさせたいと考えています。そのためには、子どもたちが、「おいしい」「また食べたい!」「どうやって作るのだろう」と食に興味・関心をもち、食べることは楽しいと感じることが大切です。これからも、子どもたちの健やかな心と体の育成のために力を尽くしていきたいと思います。