共に学び共に育つ(353号)

子どもと共に

鹿追町立鹿追中学校 教諭 藤原  静

校内での連携を土台に

 本校のよさは、多くの教員が特別支援学級の子どもたちと深く関わっていることです。

 例えば、昼休みには子どもたちが毎日のように校長室を訪れます。校長先生の都合が付く日には、一緒におしゃべりやミニレクリエーションを楽しんでいます。校長先生が子どもたちにとって優しく話しやすい存在であることに加え、多くの教員も温かい心で接していることにより、子どもたちは安心して学校生活を送ることができています。

授業の工夫1 国語科での漢字練習を例に

 知的障害特別支援学級において、子どもの集中力と学習意欲をいかに維持させるかは、担当教員の多くが抱える共通の悩みではないでしょうか。

 そこで私は、毎週行う漢字テスト(7点満点)で満点を獲得した際にシールをプレゼントし、さらに子どもの好きな模様やキャラクターの「切り絵」を贈る取組を始めました。その切り絵に達成した内容と次の目標を記入するように促したところ、子どもは「お気に入りの切り絵を汚したくない」と、普段よりも慎重かつ丁寧に文字を書くようになりました。これは、丁寧な書字のための優れた練習にもなっています。

 また、学年が上がる際に達成条件を「2回連続で満点獲得」へと引き上げたところ、子どもたちは不満の声を上げながらも、粘り強く漢字練習に取り組んでいました。結果として、教室内が掲示物で華やかになっただけでなく、語彙力の着実な向上にもつながりました。

【満点を獲得した回数を、シールの

 枚数によって可視化する取組】

【達成した内容や次の目標が書かれた切り絵】

授業の工夫2 美術科での作品制作を例に

 自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍している子どもにとって、「いかに自信をもって活動できるか」が大きな課題でした。

 子どもの個性を考えたとき、学習における達成感はさることながら、自分の好きなことや得意なことを伸ばす経験が、将来の進路選択にもよい影響を与えると考えました。子どもとの対話を重ねてたどり着いたのが「アクリル絵の具を使用したキャンバス画」の制作です。その作品はプロ顔負けの完成度だったため、それまでに制作した作品を職員玄関に飾ったり、文化祭の美術作品展示で披露したりしました。

 多くの方の目に触れ、直接称賛の言葉をいただいたことで、明らかに子どもの気持ちが前向きに変化しました。「自分なんて…」という消極的な思いが消え、笑顔で「ありがとう」と言えるようになった姿に、確かな成長を感じています。また、この取組を朝の打ち合わせで共有し、子どもの特技を知ってもらったことで、担任だけではなく、多くの教員に関わりをもってほしいという思いも伝えられたことも、大きな一歩となりました。

【玄関を彩るキャンバス画】

終わりに

 特別支援学級に携わって数年が経ちますが、「この子にとっての正解とは何なのか」という問いに、今も日々頭を悩ませています。子どもたちと接する中で、自分自身に足りないものに気付いたり落ち込んだりすることも少なくありません。

 しかし、正解を探すことだけに時間を掛けるのではなく、今、目の前の子どもたちに必要だと感じることを日々積み重ねていくことが、一番大切だと考えるようになりました。

 これからも私らしく、子どもたち一人一人に向き合っていきたいです。

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